2012/05/17
お目汚し、失礼いたします。
先週の火曜日のことでございました。
とあるパチンコ店の前を車で通りがかったところ
着ぐるみ姿の店員らしき者が、踊ったりポーズをとったりと
何やら客引きのためのパフォーマンスを披露しているのを見かけました。
ピンク色のウサギと思しきその着ぐるみは
ユーモラスで可愛らしゅうございましたが、同時にチョット違和感を覚えました。
いわゆる「 ゆるキャラ 」なるものがすでに市民権を得ており
最近のパチンコ店が、以前と比べれば格段に女性客が入店しやすい
という雰囲気になっているのは確かでございますが
ウサギの着ぐるみというのはいささか幼稚な印象を受けてしまいます。
当のパチンコ客にしてみれば、どうということはないのかもしれませんが
パチンコをほとんど嗜まない私のような者にしてみれば
仮にも年齢制限が設けられている大人向けの店のアトラクションに
着ぐるみが登場するのは何やら戸惑いを感じざるをえません。
ソープランドやラブホの前で、ネコやパンダの着ぐるみが
客引きをしている姿を御想像いただければ
その違和感がよくお分かりいただけるのではないかと存じます。
まぁ、キノコやアワビの着ぐるみが、奇妙なダンスや卑猥なポーズで
パフォーマンスを演じているというのなら話は別でございますが。
こんなことをとやかく申し上げるのは、私の頭が固いからに過ぎず
非常にイタイタしいことなのかもしれません。
しかし昨今、世の中全体が幼児化しているような気がしてならず
たとえばテレビ番組で若いタレントが自分の親のことを
「 おとうさん 」「 おかあさん 」と申しているのを見聞きいたしますが
肉親や気心の知れた親戚に向かって申すならまだしも
公共の電波を通じ、不特定多数の人間の前で
自分の親のことをそのように呼んでいる神経が、私には解せません。
なぜ「 うちの父親 」とか「 私の母親 」と呼ばないのでございましょう。
また言葉の使い方について申せば、以前こんなこともございました。
私がとある工事現場の前を通りかかった際
現場の作業員で私と同年代ぐらいの中年男性が
「 ちょっとウンコをしてくる 」と仲間の作業員に告げて
仮設トイレの方に向かうのを目撃したのでございます。
イイ大人が「 ウンコ 」と人前で申すのは場違いな感じがいたしますし
ガテン系の職場だからじゃね? という御指摘もございましょうが
それなら「 ちょっとクソを垂れてくらぁ!」「 今からババこいてくるぜ!」と
力強くて威勢の良いレトリックを使うはずでございましょう。
こういったことが、風俗店の営業スタイルや巷の日常会話での話でとどまるのなら
よろしゅうございますが、もし政治・経済・文化の各分野において
さような傾向が深く浸透しているのならば憂慮すべき事態と申せましょう。
もっとも、私のように五十路になっても厨房並みの事を書き綴っている輩が
そのような警鐘を鳴らす立場にないことは重々承知いたしておりまするが.....