キャパシティ・オーバー




お目汚し、失礼いたします。



先日、大きな仕事の受注の話がございました。
いつもの売り上げよりゼロが一つ多く付くような仕事でございます。
しかし残念ながらその話、降りさせていただきました。



理由はキャパシティ・オーバーでございます。
この仕事をお請けする上での資金的な余裕、設備、人的資源、技術力などが
私の店には決定的に欠けておるのでございます。
私がお請けできる仕事の上限は、売り上げ金額で言えば大卒社員の初任給程度。
実になさけない体たらくでございます。



以前にも大きな仕事の話が舞い込んできたことがございました。
数年前の話で詳細は申せませんが
本来なら大手のゼネコンかデベロッパーが請けるような仕事でございました。
現場調査の段階までそのことを知らされておりませんで
仕事の内容を聞かされたときは驚くというよりも、むしろ恐怖を感じました。
そしてそのとき私の頭の中に浮かんだのは
ネットで見かけたあるアダルトビデオのパッケージ写真でございました。



若いAV女優が水筒のような太っといイチモツを頬張って
カッと白目を剥いている写真でございます。
まるで頭蓋骨を突き抜けてしまいそうなほど巨大なイチモツを
パカッと開いた口に突っ込まれたその女性は、即死状態のように見えました。
そのあまりに惨く、しかも超現実的でアンバランスな光景に
私は呆然としたものでございます。



私のそのときの気分は、ちょうどその写真のような状態でございました。
私の手には余るということをお客様に申し上げましたが
なかなかわかってもらえません。買いかぶりもいいところでございます。
かくなるうえは自分の今の気分を率直に表現しようと思い
あのパッケージ写真のようにカッと白目を剥いてみせようとしましたが
白目を剥くのは小学生の頃に座頭市の物まねをして以来やったことがございませんで
うまくできるかどうか自信が無く、またそのようなことをいたしますれば
ひょっとしたら今後の仕事の差しさわりになるかもしれないと案じましたので、止しました。
そしてなんとかわかっていただこうと言葉を尽くして説明を繰り返し
ようやく御理解いただいたのでございます。



今回は白目を剥くほどではなく、せいぜいむせる程度でございましたが
やはりキャパシティ・オーバーであることに違いはありませんでした。
もしその点、御理解いただけないようだったならば、自分の気分を率直に表現するべく
せめて咳き込むぐらいはやってみようかと思った次第でございます.....