セックスよ永遠に




お目汚し、失礼いたします。



今年も年末年始にかけて
映画の超大作が続々と公開されるようでございます。
最近の私、映画といえばビデオでしか見なくなってしまいまして
毎年ゴールデンウイークや夏休み、年末年始などにおこなわれる
映画がらみのお祭り騒ぎにはさして興味がございません。



映画館の大スクリーンで見ると
多少の凡作や駄作でも妙に興奮してしまって
面白く感じてしまうのですが
レンタルビデオを利用して自宅のテレビやPCで視聴いたしますと
そういった興奮もございませんので
好きな作品・面白い作品というものになかなか出会えません。
それにもともと気まぐれで飽きっぽい私
当時はお気に入りだった作品が
数年後に見ると大して面白くないということもございます。



もっとも、逆に当時は面白くなかった作品があとで見ると
意外とイイということもございます。
また、テレビで映画作品がオンエアされたときなどは
最初は面白いとも思わず、ただなんとなく見ていたはずが
やがてその作品の中に引き込まれて
最後まで見てしまうということもございます。



私が中学生の頃でしたが
「 赤ちゃんよ永遠に 」( 原題 『 ZERO POPULATION GROWTH 』 )
というアメリカ・イギリス合作のSF映画が
たまたまお茶の間のテレビで流れておりました。
人口抑制策をとる近未来の世界が舞台の作品でございまして
子供を出産することが禁止された社会で
法を犯して子供を作ってしまう夫婦が主役の映画でございます。



当時の私は結婚とか出産といったことは
まだまだ先のことで実感が無く、また今とは正反対に
赤ん坊や幼い子供が嫌いだったのでございますが
作品全体に流れる終末観的な雰囲気と
随所に見られるシニカルな情景描写からなぜか目が離せず
子供を作ったことによって死刑を宣告された夫婦とその子供が
この先どうなってしまうのかが気になり
ずるずると最後まで見てしまったのでございます。



特に印象に残っているシーンは、幼児の姿をしたロボットを
女性が狂ったように叩き壊すシーンでございました。
物語の終盤に出てくるスローモーションのシーンなのですが
それは生きた人間の子を宿し、生み、抱き、慈しみ、育てることができない女性の
苛立たしさと悔しさと絶望感が大爆発しているような
鬼気迫る光景でございました。



子供を作ることが禁止されたその世界では
代替行為として子供そっくりのロボットを購入して
可愛がることが許されており
そういう理由で映画の中に幼児のロボットが登場するのでございますが
まるでブリキのオモチャのようにしか見えません。
映画の中でそのロボットは、どちらかといえば
ネガティブな存在として描かれていたようでございますが
これが本物そっくりのものだったならば
この映画の印象はまた変わっていたかもしれません。



ブリキのオモチャのようだったからこそ
終末観的な世界を描出した
わかりやすい社会派作品になったのでございまして
そうでなければ、そのロボットの方に焦点を当てた
思索的・哲学的なカルト映画になっていたでしょう。
SFXやVFXが高度に発達した現代でリメイクをすれば
そういう難解なカルト映画になる可能性は大でございます。
そして極めて退屈な映画になってしまうに違いありません。
技術的な水準が必ずしも映画作品を面白いものに仕上げるとは
限らないのでございます。



リメイクをするならいっそ、出産より以前に
人間同士のセックスそのものを禁止する世界という設定にした方が
よろしゅうございましょう。
そうなれば当然、映画の中に登場する代替行為用のロボットも幼児ではなく
巨根を有するテクニシャンのイケメンだとか
名器を備えたヤリマンのオネーチャンということになりましょう。
あるいは、カスタマイズすることによって
バリエーションに富んだ様々なプレイのできるものが登場するかもしれません。



何しろSFXやVFXが高度に発達した現代でリメイクをするのでございます。
少なくとも、空気を入れて膨らませる人形を使うような
子供だましのあざとい演出はしないはずでございましょう。
オリジナルの作品をもう一度見てみたいのはもちろんでございますが
こういう設定で作られたリメイク作品なら、ぜひ見てみたいものでございます.....