除夜の時報




あけましてお目汚し、失礼いたします。



2015年元旦でございます。
「 2015 」と申しますと、何となくキリの良い数字でございます。
末尾が「 5 」になっておりますが、十進法で動いているこの世の中
「 0 」はもとより「 5 」という数字も
スパッと何かを真っ二つにしたような爽快かつ安定したイメージがございます。
何やら今年は力強くて落ち着いた一年となるような気がいたします。



ところで昨年の大晦日から今年の元旦へと切り替わる瞬間
皆様は何をなさっておられたのでしょう。
電話で時報を聞いていたかたがけっこう多かったのではないでしょうか。
一年が切り替わるまさにその時を、はっきりと体感したいという願望から
そういった行為に及ぶのではないかと存じます。



私も以前はよく時報を聞いておりました。
全米が涙するような感動があるわけではございませんが
日付が元旦に変わる瞬間の「 プッ・プッ・プッ・プーーン 」という音を
耳を澄ませて聞いておりました。



私はこれを「 除夜の鐘 」ならぬ「 除夜の時報 」と名付け
煩悩を取り除いて新しい年を迎えるための
神聖な儀式としておったのでございますが
ここ数年は日付が変わる瞬間に、苦手なお得意様の顔が目に浮かんだり
懸案となっている面倒な案件のことを思い出してしまったり
納期が間に合うかどうかわからない仕事のことを考えてしまったりと
心穏やかに新年を迎えることができません。



まるでアダルトビデオを見ながらイク瞬間に画面が切り替わり
男優の顔やケツのアップになるようなものでございます。
これでは煩悩を取り除くという本来の目的を達成できず
それゆえ私、大晦日に時報を聞くのはやめてしまった次第でございます。



何やら新年早々、無粋な話で申し訳ございません。
他にも書きたいことが色々とございますが、この辺で取り置きまして
ともあれ皆様、当ブログを今年も引き続きよろしくお願いいたします.....






暗闘




お目汚し、失礼いたします。



携帯用ゲーム機やテレビアニメにおいて
「 妖怪ウォッチ 」なるものが一大ブームを巻き起こしております。
似たようなコンテンツに「 ポケットモンスター 」がございますが
果たしてこの両者、現時点ではどちらが世間を席巻しておるのでございましょうか。



ところでこの「 妖怪ウォッチ 」のテレビアニメでございますが
その最初のエンディングテーマ曲で「 ようかい体操第一 」という歌がございます。
この歌を歌うときの振り付けを作ったのが、振付師のラッキィ池田氏でございます。



ラッキィ池田氏と言えば、かつて1980年代後半から1990年代前半にかけて
振付師として様々なミュージシャンやタレントの振り付けをおこない
自身もまたテレビタレントとして活躍していたようでしたが
それ以降は全く消息が途絶えたような状態だったと記憶しております。



池田氏がそのように消息不明だったのは
彼自身の問題発言が原因で仕事を干されたからだったようですが
私はその発言を、或る超魔術師に関するものではないかと考えております。
と申しますのは、絶頂期だった頃に氏がテレビのバラエティ番組において
ちょっと気になる発言をしていたからでございます。



その番組のタイトルや詳しい内容は失念いたしましたが
スタジオの客席には若い女性が大勢すわっておりまして
ステージに立った池田氏が、その超魔術師のことについて

「 魔術を披露するときに、客席に向かって薔薇の花を投げる
 というパフォーマンスをよくやるんですが
 彼は、その薔薇をキャッチした女性の処女を奪うんですよ 」

という趣旨の、冗談かマジか判然としないようなことを
申していたのでございます。



この発言を聞きつけて怒り心頭に達したその超魔術師が
お得意のハンドパワーによって池田氏に災いをもたらし
業界から抹殺したのでございましょう。
世間的には、自らの離婚に関しておこなった問題発言が原因で
池田氏は仕事を干されたのだということになっておりますが
真実はそこにあるのではないでしょうか。



そんな池田氏が、再び日の目を見ることが出来るようになったのは
なぜでしょうか。もうお分かりでございましょう。
氏は超魔術師のハンドパワーに対抗して、妖怪の霊力を借りたのでございます.....






不慣れな仕事




お目汚し、失礼いたします。



人間とは悲しい生き物でございます。
自由でありたい、自分は自分でありたいと願いつつも
そんな意志とはかけ離れた境遇に置かれ
言いたくもないこと、やりたくもないことに
手を出さなければならないことがございます。



人は自分もしくは自分が愛する者の糧を得るために
働かねばなりません。
人間が自由を願いつつも自由ではいられない理由の一つが
ここにございます。
生活のため、食うため、生きるために自分の意志とは正反対のことを
やらなければならない場合があるのでございます。



もっとも、嘆いても詮無いことでございましょう。
大人の社会人なら、そういったジレンマに晒されることは
覚悟せねばなりません。
しかし単に自分の意志とは正反対であるだけにとどまらず
そのことが自分にとって慣れないことであれば
尚更つらいものでございます。
そして私、近々そういった不慣れな仕事に
駆り出されることになっております。



はっきり申し上げて断りたい仕事でございますが
これも生活のため、食うため、生きるためでございます。
次からはもう二度とやらないつもりなのですが
とにかく今は、お客様の御意向に沿うべく
従順な羊となって、与えられた仕事をこなさねばなりません。
しかし、たとえ羊になることはできても、不慣れなせいで緊張し
お客様の前でとんでもない失敗をするのでないかと不安でございます。
あるいはパニクって悲鳴を上げたり
いきなり自家発電を始めたりするのではないかと心配でございます。



今朝、テレビで「 ZIP! 」という朝の情報番組を見ておりましたら
今年の干支、羊の実物が出てまいりました。
この羊、生放送中であるにもかかわらず
まるで大当たりしたパチンコ台のようにポロポロポロポロと
ひっきりなしに脱糞しておりました。



たぶん、普段生活している牧場からテレビ局のスタジオという
不慣れなところに連れて来られ
大勢の人間や色々な機材を見て驚いたのでしょう。
まるで私の姿を見ているようでございます。
今度の仕事、オムツを装着して臨むことになるやもしれません.....






骨の音




お目汚し、失礼いたします。



先日、テレビで100歳を越える老人が
100m走をおこなっている様子が映っておりました。
お元気で良いことだと思いつつも
何やら危なっかしい光景でございました。



コケたりはしませんでしたが
壊れたロボットが必死に泳いでいるようなその走り方は
骨の折れる音が聞こえて来そうでございました。
ポキポキと音を立てながら走ってきた老人がゴールした途端
糸の切れた操り人形のように
両手足や頭、胴体がひとかたまりになって頽れるという
気味の悪い光景が目に浮かび、思わずゾッといたしました。



キモい話で恐縮でございます。で、キモいついでに申しあげますれば
成長期にある少年少女たちは、骨の伸びる音が聞こえるそうでございます。
以前、ラジオで聞いた話ですが
タレントが自分の知り合いの中学生のことを話しており
成長期にあるその少年、骨が伸びるせいで
体が痛くてしょうがないとこぼしており
しかも骨の伸びる音が聞こえると申していたとのこと。



私も一応人間でございますので、成長期はございました。
しかし骨が伸びるせいで体が痛くなったり
ましてや骨の伸びる音が聞こえたなどという体験は全くございません。
10代の頃、人には言えないぐらい頻繁に自家発電を繰り返していたため
栄養が行き届かず、骨の成長がイマイチだったせいかもしれません。
むしろ逆に骨の縮む音が聞こえていてもおかしくはなかったでしょう。
それでも170cmの身長を維持できたのは、キセキとしか言いようがございません。



骨の伸びる音とはどんな音なのでしょうか。
木材が軋むような乾いた音がするのでございましょうか。
それともホラー映画で人間が異形のものに変身するときのような
湿っぽい音がするのでございましょうか。
もし10代の頃に戻れるなら、そのときは修行僧のような日々を過ごし
ぜひとも骨の伸びる音を体感してみたいものでございます.....






言えずのADVICE




お目汚し、失礼いたします。



社会人になって一年ほど経った頃
東京の方へ出張したことがございました。
そのとき、私と同期入社した社員で、東京支店に配属された男と
二人だけで一緒に飲みに行ったのでございますが
彼から人間関係の悩みを聞かされました。
上司とうまくいかないという、よくあるパターンでございます。



彼は真面目な男なのですが
どちらかというとノリが悪くてあまり冗談をいうタイプではなく
酒も一人で飲むのが好きな方でございます。
片や彼の上司は軽口やジョークが好きな男性だとのことで
そういった性格の違いから上司との関係が
ギクシャクしているようでございます。

「 肌が合わないんだよ 」

彼は酔って少し赤くなった顔をしかめ、吐き捨てるように申しました。



しかし私には何と言って彼を慰めればいいかわかりませんでした。
何しろ堅物な男でございます。
下手な慰めやアドバイスをすると怒り出すかもしれないのでございます。
現にそうして飲んでいる時も、つまらない冗談を言えば
軽蔑されるか無視されそうで、非常に居心地が悪ぅございました。



もっとも、彼を苦しめている悩み事の原因は
まさにそういった点にあるわけでございます。
そのため彼に何か慰めやアドバイスを与えるとすれば
まずその点を彼自身に自覚させ
彼の性格の長所でもあり短所でもあるその部分を
思いきって変えてみてはどうだと言うしかございません。



それに「 肌が合わない 」と申してはおりましたが
実際に上司と肌を合わせてみたわけでもございますまい。
意外と肌理が細かくて餅肌、スベスベとして気持ちが良い
ということもございましょう。
また、仮に肌の感触が合わなくとも穴と竿のサイズが絶妙で
ハメ具合が極上という場合もあるはずでございます。



しかし、私にはそのようなアドバイスをする勇気はございませんでした。
その夜の二人だけの飲み会は
まるでお通夜のような雰囲気のままお開きとなり
翌日出張先での仕事を終えた私は
彼とはそれっきり言葉を交わす間もなく本社へと戻ったのでございます。



それから数年後、風の便りで彼が会社を辞めたことを知りました。
あのとき、私が勇気を出して彼にアドバイスを与えていればと
今も悔やまれてなりません.....






禁じられたキャラクター




お目汚し、失礼いたします。



このところの度重なる異物混入により、何かと譴責の矢面に立たされている
大手ハンバーガーショップの    でございますが
あの  D  というキャラクターはどうなったのでございましょう。
テレビCMでよく見かけた赤髪・白顔・黄色服のキャラクターでございます。



小さな子供たちに人気があったようですが、ググってみましたら
日本では2007年ごろからCMには出演していないとの事。
何やら子供を不健康な食事に誘導する悪しきキャラとして
米国の市民団体によって排斥運動がなされ
その影響なのか影を潜めてしまったようでございます。



私は    を利用することはあまりございませんし
あの  D  というキャラに特別の思い入れがあるわけではございませんが
なんとなく寂しい思いがいたしました。
以前、2ちゃんねるで「 表へ出ろ 」という有名な  D  のAAを見ましたが
そういった事情を重ね合わせてみると
あのAAでさえ今では寂寥感を禁じ得ません。



セカイノオワリというバンドのPVを先日拝見したのですが
バンドにピエロのマスクをかぶったメンバーが居て
なんとなく  D  を連想いたしました。
グローバルな大手外食産業で活躍していたイメージキャラが
有名なバンドのメンバーに転職したように見えました。



ミュージシャンとして第二の人生を歩んでいるのならよろしゅうございますが
表舞台から退く羽目になったことに対して
 D  はみじめさを感じてはいないでしょうか。
怒りを覚えているのではないでしょうか。
世を恨み、人を呪ってはいないでしょうか。
彼のそんな暗い情念が、異物混入という事故の頻発を
招いているのではないでしょうか。



いや、ひょっとすると彼自らが異物混入に手を下しているのかもしれません。
これまでプラスチックや金属片、人間の歯と、様々なものが
   の商品から見つかっております。
悪ノリした  D  が、自らの体液や排泄物を混入させるのは
もはや時間の問題だという気がいたします。



もっとも、ハンバーガーショップのキャラクターでございますゆえ
それらはフレンチドレッシングやフォアグラのソテーのような味がして
思いのほか美味かもしれませんが……






納期短縮




お目汚し、失礼いたします。



ときおりお客様から無理難題を吹っかけられて困ることがございます。
プロだから出来るだろというのがお客様のお考えでございましょうが
プロだからこそ出来ないことがあるのでございまして
またプロだからこそ出来ないことは出来ないと
はっきり申すわけでございます。



特に納期を縮めろという御要望には、著しい抵抗を感じます。
縮めることが可能ならば御要望どおりにはいたしますが
場合によってはその分、品質や外観などにシワ寄せが生じることもありますし
物理的に不可能なケースはお断りするより致し方ございません。



仕事の厳しさとかプロ意識だとか勇ましいことを言うのは結構でございますが
無理なものは無理でございます。
ちょっと景気が良くなってきたり、あるいは物事に余裕がなくなってきたりすると
そういった精神論が幅を利かすようになってくるわけでございまして
それが個々人の私生活にまで浸透するとたまったものではございません。



せっかくの週末の夜なんだからと女房といっしょに寝床に入ったら
「 明日、パートで出勤なのよ。速いめに済ませて頂戴 」と言われ
はいそうですかと素直に受け入れることのできる男性なら
それでもよろしゅうございましょうが
世の中そのような草食系の殿方ばかりではございますまい。
ましてや「 手コキでいいでしょ?」と言われたら
喧嘩になるやもしれませぬ。



女性の側からしても同様でございます。
「 あしたは早朝から接待ゴルフなんだ 」と言いながら
亭主がそそくさと顔射を済ませて、一人で勝手に鼾をかいていたら
緑色の用紙にハンコを捺して突き付けてやりたくなりましょう。



何事も余裕というものが肝腎でございます.....






寒い午後




お目汚し、失礼いたします。



今日の午後、仕事中に小学校の近くを歩いて通りかかりましたら
寒風が吹きすさんでいるにもかかわらず
少年たちの歓声が聞こえてまいりました。
赤や青のジャンパー・ズボンで身を包んだ彼らは
ボール遊びに興じておりました。



私も小学生の頃は、寒い冬の日に屋外で遊んだことがございます。
もっとも、ボール遊びが苦手でしたので、専ら鬼ごっこでございました。
小学生の頃からどちらかと言えば文科系で
スポーツとは縁の無い非体育会系の少年だったのでございます。



そんな私でも小学生時代に
半ズボンをはいて一冬を越したことがございました。
当時は私も下半身に自信があったのでございます。
今では考えられません。
今そんなことをすれば、毎日下痢に悩まされることになりましょう。



こんなに寒い日は、人前で「 ほぅ~ら♪」と言いながら
下半身を露出する変質者も鳴りを潜めることでしょう。
私、犯罪発生情報をメールで知らせてくれる
警察のサービスを利用しているのですが
やはり冬場はその手の変質者の出没は
全くと言っていいほど無いようでございます。
変質者も普通の人間と同じで、寒さには弱いのでございましょう。



もっとも、寒くてもそういったことに興じる変質者は、いるかもしれません。
ヒートテックの腹巻を巻いて現れるかもしれませんし
毛糸で手編みのマラ巻やタマ巻を作り
入念に防寒対策をした上で颯爽と街に躍り出ることも考えられます。



変質者は年中無休でございます。
皆様、冬場だからといって油断せず
防寒とともに防犯にもお気をつけくださいまし.....






ささやかな心遣い




お目汚し、失礼いたします。



昭和40年代前半、私が小学生の頃でございます。
日曜日の夜にときたま家族で外食に出かけることがございました。
外食と申しましても、大きなレストランや高級料理店ではなく
近所のお好み焼き屋だとか洋食屋
あるいは家族でドライブに出かけた帰りに立ち寄った
小さなうどん屋、ラーメン屋などへ行くのでございます。



そういう店の食堂には、裏側に金網のような荷物受けが付いている
小汚いテーブルが置いてあったりいたします。
荷物受けにはソースやラーメンの汁で汚れた漫画雑誌が置いてあり
それを読みながら料理が出来上がるのを待っていたものでございます。



また、16型ぐらいの大きさのテレビを置いている店もございました。
壁の天井に近いあたりに棚が設えてあり
そこにテレビが乗っているのでございます。
食堂の広さの関係から、テレビをそのような高い場所に
置かざるを得なかったのだろうと思われますが
私は、異なる分析をしておりました。



当時、日曜の午後7時から「 アップダウンクイズ 」という
クイズ番組がテレビでオンエアされておりました。
一般人の出場者が6人、それぞれ一台ずつ昇降式のゴンドラに乗り
クイズの答えに一問正解するとゴンドラが一段上昇
見事10問正解するとハワイ旅行が獲得できるという番組でございます。



最上段まで上昇した10問正解者のゴンドラには
飛行機に搭乗するときのタラップが付けられ
航空会社の客室乗務員の女性がゴンドラの所まで上って行き
正解者の首にレイをかけてくれるという演出がございました。
そして、このスッチーがタラップの階段を上るときに
スカートの中のパンティが見えるという噂が
私の小学校で誰言うともなく広がっていたのでございます。



当時はビデオが一般家庭に普及していない時代でしたので
そのような都市伝説が流布するのも無理はありません。
そんなわけで私、外食先の飲食店で
高い位置にあるテレビを見かけると
これはそのスッチーのスカートの中を覗きやすくして
お客さんを喜ばせようという、ささやかな心遣いのために
店主がわざとあんな高い所へ置いているのだと思い込んでおりました。



そのテレビにアップダウンクイズが映っているときは
スッチーのパンティがブラウン管に大写しになるのではないかと
何やらドキドキしたものでございます。
しかし当然のことではございますが
そんな僥倖に巡り合うことはございませんでした。



もしも仮にでございますが、あのころに3D映像の技術が一般化しており
しかも10問正解者の首にレイをかけてくれるのが
スカイマークのスッチーだったならば
私は童貞を捨てるのが、もっと早まっていたかもしれません.....






虎はまどろむ




お目汚し、失礼いたします。



去る17日、SF作家の平井和正氏が亡くなっております。
76歳だったとの事でございますが
われわれオッサン世代の中には氏の著作に触れて
感動に心奪われ、トラウマに苦しんだかたが
数多くいらっしゃるのではないでしょうか。



私が初めて平井和正氏の作品に触れたのは
「 ヤング・ウルフガイ 」シリーズの第一作「 狼の紋章 」でございました。
のちに私は氏が往年のテレビアニメ「 エイトマン 」の原作者であることや
漫画家、池上遼一氏の作画による「 スパイダーマン 」の原作者であることを
遅ればせながら知ったのでございますが
平井和正という一人のSF作家の作品として触れたのは
「 狼の紋章 」が最初でございます。



当時ミドルティーンの少年だった私、この「 狼の紋章 」を皮切りに
むさぼるように氏の作品を読み漁りました。
大学生になるころにようやくその熱が冷め
同時に氏の作風や作品のテーマにも何やら変化が生じてきたように感じて
だんだん氏の作品からは遠ざかっていった私なのでございますが
その後、今日に至るまでもときおり、火山から湧き出る間欠泉のように
この時期の氏の作品を引っ張り出してきたり購入したりして
読み返すことがございました。



私がことほどさように氏の作品に熱を上げたのは
登場するキャラクターが実に魅力的だったからでございます。
その魅力ですが、主役はもちろんのこと
アンチヒーロー的なキャラクターにおいても横溢しておりまして
私にとって特に印象に残っているのは、44マグナムの使い手で
CIA日本支局の非合法工作員、西城恵でございます。



氏は、人間が救いようのない出来損ないであることを確信し
人間というものに対する絶望感を常日頃より表明しておりました。
西城恵という男は、その絶望感が具現化したような存在でございます。
暴力と殺人のプロフェッショナルで、作品中の表現を借りるならば
「 放し飼いのでかい虎 」のような人物でございますが
その肉体的・精神的強靭さは驚異的で頼もしくもあり
必要とあらば、自分で自分の腹を割くことも厭わない男でございます。



個人的な解釈ですが、この西城恵、平井和正氏御本人の
リアルの姿を投影したものではなかったかという気がいたします。
この西城恵が登場する作品ですが私、「 狼の怨歌 」から
「 狼のレクイエム 第一部 」「 狼のレクイエム 第二部 」までしか
読んでおりませんので、その後、このキャラクターがどうなったのか
氏の作品の中でどのような変化や成長を遂げたのかは存じませんが
少なくともそれらの3作の中では、人間に対する失意や憎悪を
人間に向かって吐き付けるために創造された
氏の分身だったように思われてなりません。



氏が抱いていたこの絶望感は、その後どうなったのでございましょうか。
これ以降に書かれた数々の作品群の中で、消え去ったのでございましょうか。
それとも未だに脈々と生き続けているのでございましょうか。



氏が遺したすべての作品群を読めば、その答えが判明し
またそれが氏への供養になるのかもしれません。
しかし私は今、その答えを得ようという気にはなれません。
また、この先もそのような気になることはないでしょう。



どうやら私は自分でも気づかないうちに
恐ろしいほど年を食ってしまったようでございます.....






待ち人怒らず




お目汚し、失礼いたします。



一昨日、大阪府内の某牛丼チェーン店で
昼食を食べたのですが、かなり込み合っておりました。
ライバル店が先ごろ値上げをしたせいか
安さを求めて客がその牛丼店に集まってきたのかもしれません。
私はお昼時よりも少し早い目に入店しましたので
すぐに着席できたのでございますが
しばらくすると店内の席はすべて埋まり
席が空くのを待つ客の塊が店の出入り口付近に出来上がりました。



そこは店内での食事はもちろん
テイクアウトやドライブスルーもやっている店でございました。
店員は数人おりましたが、忙しくてなかなか注文をさばくことが出来ません。
席に座った客の何人かは料理が来ないことに苛立っておりましたし
塊となって立ち尽くす客は座れないことに苛立っているようで
なんとなく殺伐とした雰囲気でございます。



大手の外食の店では整理券を発行したり
ワイヤレスチャイムを使ったりして
待たされる客のイライラをできるだけ解消しようと努めておりますが
それでも対応しきれない場合がございましょう。
なにやら悩ましいものを感じます。
その店も各テーブルにワイヤレスチャイムが置いてありましたが
客に対して周知が行き届いていないのか
ほとんど利用されていなかったようでございます。



生理的欲求が絡むと人間はアグレッシブになり
細かいことに気がつかなくなります。
私も若い頃、初めてアダルトショップでビニール本を買った夜は
早くヌキたくてタクシーを使って自宅に戻りました。
近鉄の布施という駅の近くから乗ったと記憶しておりますが
本代数千円のほかに運賃一万円弱を費やしたため
合わせて一万五千円前後の出費となりました。
本代よりも運賃の方が高くついております。



若気の至りではございますが、あのときは必死でございました。
むしろ、よくぞタクシーの中で自家発電に及ばなかったものだと
自分を褒め称えている次第でございます.....






窓と株




お目汚し、失礼いたします。



ちょっと事情がございまして更新が遅れてしまいました。
当ブログに足しげく通われている御訪問者様には
慎んでお詫び申し上げます。



実を申しますと、「 チャーリーのモノはでかい 」という映画の
宣伝のために来日していた俳優のジョニー・デップに襲いかかった
チュパカブラなるモンスターが昨夜、私の自宅にも現れたのでございます。
幸い、格闘の末に23階から投げ落としたので、もう会うことはないでしょうが
おかげでブログの更新ができなかったのでございます。



ところで、先の1月27日の米国株式市場において
マイクロソフトの株が一割近く安くなってしまったそうでございます。
株式のことについては私、門外漢でございますが
PC業界の帝王とも言われる世界的な会社の株が
一割近く下落するというのは、あまり良い傾向とは思えません。
昨年からAndroidタブレットを使うようになった私ですが
仕事関係では未だにWindowsを使っておりますので
多少、気にかかります。



なにやら最近、マイクロソフトの売り上げが
伸び悩んでいるそうでございまして
それが株価に影響を与えたのでございましょう。
そういった傾向を意識してかどうかは存じませんが
マイクロソフトはPCの基本ソフトWindowsの
次のバージョンへのアップグレードを
条件付きで無償提供する方針を打ち出しております。



「 無償 」と聞くと私、よだれが出そうなのでございますが
何か裏がありそうでちょっと待てよという気もいたします。
中国製の穴開きコンドームのような安かろう悪かろうというものを
無償提供してもらっても困るわけでございまして
インストールしたら途端にPCが固まったとか
個人情報が筒抜けになったとか、それでは元も子もありません。



あるいは陰謀論めいた話になりますが
タダだからということで広く遍く行き渡らせておいて
ユーザーが別のOSに乗り換えることが出来ないように
遠隔操作するつもりではありますまいな?
OSの仮面をかぶったスパイウエアというわけでございます。



まぁ、そこまで疑うのも勘繰り過ぎかとは存じますが……
おや、こんな夜更けにどなたか来客のようでございます。
またチュパカブラでしょうか.....






ツバの時代




お目汚し、失礼いたします。



以前は、お札を数えるときに
指にツバを付ける人をよく見かけたものでございます。
不潔恐怖症の私には理解できない行為でございまして
そういうことは自分がするのも他人がするのもイヤでございました。



20年ほど前ですが、私が文房具店で買い物をしたときのことでございます。
一万円札で支払いをしておつりをもらう際に
店主の老人がヨダレと言ってもいいほどの大量のツバを付けて
紙幣を数えていたことがございました。



渡された数枚の千円札には変質者がイタズラをしたかのように
大きな唾液のシミが付いており
気持ち悪くてしょうがなかったのですが
さりとて突っ返すこともできず、そのまま財布に入れました。



今ではそういう行為を見かけることはほとんどございません。
今もやっている人はおられるのかもしれませんが
少なくとも私の身近なところでは見かけないのでございます。
しかし私が小学生の頃には自分の親はもちろん
隣近所のオッチャン、オバチャン、八百屋の大将
学校の先生、市役所職員、セールスマンなど
ごく当たり前のようにやっていた記憶がございます。



今の世の中、抗菌グッズや使い捨ての衛生用品が大量に出回り
食品を扱う企業は異物混入や衛生環境に激しく神経を尖らせ
公共のトイレには手を触れずに水が出る自動水栓が並んでおります。
そういった世の流れが、指にツバを付ける行為を
押し流してしまったのでございましょう。



不潔恐怖症の私としては
自分の意向に沿った形で世の中が動いているようで
満足といえば満足なのですが
なにやら私の記憶の中にある庶民的な日常が
遠くへ消え去っていくように思われて
寂しく感じることもございます。
まぁ身勝手といえば身勝手なのですが。



身勝手ついでに贅沢を言わせてもらえるならば
綺麗なオネーチャンやエロい熟女には
以前のようにツバを付けてお札を数えてもらいたい。
できればお札同士が引っ付くぐらいタップリと、でございます。
そういうおつりなら私、喜んで受けとるのですが.....