人心の乱れ






お目汚し、失礼いたします。



昨日、スーパーマーケットで買い物をしたときのことでございます。
スーパー備え付けの買い物かごに食料品を入れてレジへと向かいますと
買い物客が一定の間隔を空けて並んでおりました。
コロナウイルス感染拡大の原因となる三密を避けるために
ソーシャルディスタンスを空けているわけでございます。
厚労省推奨の値は2メートルということですがレジの円滑化のためでしょう。
7、80センチぐらいの間隔でフロアに足のマークが記されており
買い物客はそこで立って順番を待つようになっているのでございます。



私もそれに倣って間隔を空けて並んでいたのですが
そこへ60代なかばと思われる作業服姿の男性が横から近づいてまいりました。
そして私と前の買い物客との間に空いた空間をためつすがめつしてから
「 そこ、空いてるの?」と私に問うのでございます。
コロナ禍のことを知らないはずはないでしょうが
その男性、ソーシャルディスタンスというエチケットまでは知らなかったのかもしれません。
とはいえ、周りも私と同じように距離を空けて並んでおりますゆえ
空いているのは何か理由があるのだろうな、と気づくはずでございます。



一瞬、ちょっとイラッとしましたが丁寧に御説明申し上げました。
男性は合点がいったようで「 ああ、そうだったのか。ごめんね 」という旨のことをおっしゃって
その場を去っていかれました。
気弱そうな私の顔を見てあわよくば割り込みをしてやろうと目論んでいたセコい爺さんだったのかもしれませんが
別に腹も立ちませんでしたし、むしろ感情的になって事を荒立てなかった自分自身に満足さえしておりました。



最近、コロナウイルスの感染拡大が止まず、一般大衆の間には不安や苛立ちが蔓延しております。
しかし少なくとも私の身近なところでは幸いなことに
それらの不安や苛立ちから乱暴狼藉が日常茶飯事になるというレベルにはまだ達しておりません。
もしそういうレベルなら昨日のスーパーマーケットでの出来事は、違った様相を呈することになったでしょう。
あの老人が問答無用でいきなり私の前に割り込み、それに対して私が口汚く罵っている姿が目に浮かびます。
やがてどちらか一方が手を出し、取っ組み合い・掴み合いの喧嘩になったものの
腕力に自信の無い私は組み伏せられ、あの老人にケツを掘られるでしょう。
騒ぎを聞きつけたスーパーマーケットの店長の要請でパトカーが駆け付けますが
サイレンの音にビックリした私が膣痙攣ならぬ肛門痙攣を引き起こし
私とあの老人はつながったまま、警察よりも先に救急病院へと搬送されることになるのです。



コロナウイルスの感染拡大による非常事態や緊急事態が長引き、収束も先行きもはっきりせず
自助努力や自己責任ばかり要求されることが続けば、いずれ国民も投げやりな気分になってまいります。
政治家や役人が、此度の危機において覚悟の無い中途半端なやり方や前例に縋り付くような手法で対応していると
人心の乱れはいずれシャレにならないようなレベルにまで悪化するでしょう.....






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