命の灯




お目汚し、失礼いたします。



「 値切りスト 」として主婦やお茶の間の人気者だった流通ジャーナリスト
金子哲雄氏が今月2日に亡くなっております。
享年41、肺にできた腫瘍で夭折されたとのことで
私もこのかたをテレビで拝見し
スーパーマーケットの店頭販売員のようなその語り口に
親しみやすく微笑ましいものを感じておりました。
周囲に対してきめ細かな心配りをなさるかただったようで
また、亡くなる直前まで仕事をされていたとのこと。
謹んで御冥福をお祈りいたします。



片や人生半ばにして旅立たれるかたもいらっしゃれば
片や90年近くの長きにわたって人生を全うされて亡くなられるかたもおられます。
同じく今月2日、俳優の大滝秀治さんが87歳で逝去されました。
映画やドラマにおいて脇役として欠かせない確固たる地位にあり
紫綬褒章、勲四等旭日小綬章を授与され
文化功労者としても表彰された大滝秀治さんですが
俳優やタレント、脚本家など大滝さんを尊敬する多くの関係者によって
その死を悼まれております。



かなり仕事熱心な俳優さんだったようで
その仕事ぶりは数々の映画作品、テレビドラマなどで花開いておりました。
私にとって特に印象深かったのは、もう30年以上も前になりますが
「 特捜最前線 」という刑事ドラマに出演していたときの姿でございます。
その刑事ドラマにおいて、核テロリストと警察の対決を描いたものがございました。
相手が核爆弾を携行して都心に潜伏しているということで
他の刑事たちやデカ長が慌てふためき、逆ギレし、パニックに陥っているなか
大滝さんが扮する刑事だけが、きわめて冷静な行動と発言をおこなっていたのが
非常にクールでカッコ良く見えたのでございます。
俳優業という現実の仕事においても
きっと大滝さんはそんな感じだったのではないでしょうか。
御冥福を心よりお祈り申し上げます。



人間、誰しもいつかは逝ってしまうもの。
それは私も例外ではございません。
そういった思いは、40代になってから親戚や知人など
身近な人間の訃報を耳にすることが急に増え
またその葬儀に参列する機会が多くなることによって
徐々に強まってまいりました。
私も二親をその時期に亡くしてしまいましたし
親戚や知人の葬式、通夜に行くことを何回か経験し
人間の命の儚さをヒシヒシと感じるようになりました。



葬儀や通夜では故人の御遺体を間近で拝見することがございますが
そんな時いつも思うのは「 死ぬというのは命の灯が消えることだ 」
ということでございます。
死んだ人間は当然ながら、血の気が失せて白くなりますが
それはまるで体の内側で煌々と灯っていた明かりが
消えてしまったかのような印象がございまして
中に入っていた蝋燭の火が消え、かすかに焦げ臭さが漂っている
冷めた行灯か提灯のごときありさまでございます。
命というものが、しばしば炎や明かりに喩えられることを
あらためて納得させられる光景なのでございます。



「 命の灯 」という言葉をときどき耳にいたしますが
その言葉が年々、重みを増していくような気がする今日この頃。
まぁ、昼行灯か月夜に提灯のような私が
さようなことを申し述べるのも恐縮ではございますが.....






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