ジェットじいさん




お目汚し、失礼いたします。



外国人から献金を受けていたことや
暴力団との交際疑惑の廉で法務大臣が辞任に追い込まれております。
マスコミはこの件について取材をしようといたしましたが
当の法務大臣は体調不良を理由に病院へ入院し
本人から話を聞くことができません。



政治家がマスコミの取材から逃れるために病院に入院するのは
よくあるパターンでございますが
ここ最近そういった手を使う輩が現れなかったため
今回の法務大臣の入院のニュースを耳にして
何やら懐かしい気分がいたしました。
もっとも政治家の中には、そんなオーソドックスな手を使わず
意表をつくようなやり方でマスコミの取材攻勢をかわす者が
いるものでございます。



およそ20年ほど前であったかと存じます。
テレビのニュース映像を見ておりましたら
やはり何らかのスキャンダルで政治家が辞任せざるを得なくなった
という報道があり、国会でしたか議員会館でしたか
どこかの公舎の玄関のところで本人から話を聞こうと
マスコミが手ぐすね引いて待っている映像が流れておりました。



やがてその政治家を乗せた車が建物の入り口の前に止まり
車から問題の政治家が降り立ちました。
入り口の前や玄関の大広間で待機していた
新聞記者、テレビ局の取材スタッフが
その政治家に向かって歩み寄ろうとしたそのときでございます。



60代後半と思われるその政治家が
突如として電光石火のごとき勢いで疾走し
並み居る取材陣をすり抜けて建物内の部屋の一室に
駆け込んだのでございます。
直後に警備員が部屋の扉を閉めてしまったため
マスコミはそれ以上、手を出すことができませんでした。
玄関の入り口からその部屋まで10㍍以上は距離があったはずですが
まるで二、三歩の歩数でたどり着いてしまったような
素早さだったのでございます。



とても人間業とは思えませんでした。
オリンピッククラスの陸上選手ならいざ知らず
還暦は確実に越えている老人が
韋駄天のごとき走りを披露したのでございます。
都市伝説に「 ジェットばあさん 」と申す
超高速で動き回る老婆が出てまいりますが
さしずめこの政治家は「 ジェットじいさん 」といったところでございましょう。



政界には魑魅魍魎が跋扈し、政治家は妖怪だなどとよく言われますが
さもありなんといった光景でございました.....






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