素直になれない




お目汚し、失礼いたします。



イヤよイヤよも好きのうちなどと申しますが
好きならスキとはっきり言えばよろしゅうございましょう。
イヤならイヤとはっきり断ればよろしゅうございましょう。

「 ぼくは君のことが好きだ!」
「 あたしもあなたのことがスキ!」
「 よし! 今からヤルぞ!」
「 ダメ! さよなら!」
「 くそ! 夕日のバカヤロー!」

という具合にトントン拍子に事が進むに越したことは無いのでございます。



人間というのは理屈で割り切れないものであり
その思考や情念は理論的に単純化して説明することができないものでございます。
それゆえ、人間というものを一元的に理解するのは不可能だということになり
素直に喜ぶべきところで喜ばない
素直に謝るべき場面で謝らないといった人間に対して
一方的な非難をするのはよくないという理屈が成り立つわけでございますが
それも程度の問題でございましょう。



歌の文句に「 素直になれない 」といったフレーズがよく出てまいります。
そして恋人や親に対して素直になれないといった相談事が
ラジオから流れてくることがございます。
ミュージシャンやタレント、パーソナリティが
その相談事の手紙やメールを読みながらウンウンと相槌を打ったりして
もっともらしいことをほざいているのを聞くと虫唾が走ります。
そうやって素直でないことは人間として当たり前だというような
モラトリアム的な雰囲気を社会的に醸成しようとする動きを見るたびに
激しい苛立たしさを感じずにはいられません。



「 素直になれない 」というのは
いかにも人間らしい行動パターンでございましょうが
私個人としてはあまり好きな言葉ではございません。
今の世の中に蔓延っている「 私情原理主義 」や「 自分本位制 」と
同じニオイがするからでございます.....






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