柴犬から人間へ




お目汚し、失礼いたします。



数日前のことでございます。
若い母親がようやく一歳になるかならないかというぐらいの赤ちゃんを
ベビーカーに乗せて歩いておりました。
車に乗って信号待ちをしていた私は
歩道にいたその親子の姿を見るとはなしに見ておりました。



交差する車道を大きなトレーラートラックが横切っていきましたが
それを見てベビーカーの赤ちゃんが突然、立ち上がるようにして身を乗り出し
ロックコンサートの聴衆がやるように拳を振り上げ
その拳を振り始めたのでございます。
トレーラートラックの方に目を向けて口を大きく開き
何やら大喜びのようでございました。



男の子なのでしょうか。よほど車が好きなのでございましょう。
テレビCMで、赤ちゃんや幼い子供が
大人顔負けのダンスを披露するシーンを見ることがございますが
あの手の映像は何らかの映像技術によって作り出された人工的なものでございます。
私が見たのは何のトリックも仕掛けも無い
赤ん坊の素のままの動きでございました。



可愛いものでございます。
以前、私は生き物の中で一番可愛いのは柴犬だという確固たる信念がございましたが
今は人間の子供が一番可愛く思えまする。
ただ、人間の子供というのはいずれ成長して自我が目覚め
いろんな世間の垢にまみれて汚れてしまうものでございます。
車好きの可愛い赤ちゃんも、車好きの珍走団員になることがありましょう。
そして騒音を撒き散らして暴れまわる珍走団員も
かつてはこのような可愛らしい赤ちゃんだったのでございます。



私が大嫌いな言葉に「 罪を憎んで人を憎まず 」というものがありますが
幼い子供のこういう無邪気な姿を目にすると
ふと宗旨替えをしてみたくなるものでございます.....






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