鼻息の荒い花




お目汚し、失礼いたします。



先月末の日曜日、「 ゆり園 」という名の公園に行ってまいりました。
大阪市此花区にある舞洲という人工島の浜辺にある公園でございまして
インターネットのサイトの施設案内によれば
200万輪ものユリの花が咲いているとのこと。
期間限定でしか入場できないらしく
今年の6月1日から7月7日までが開園期間だそうでございまして
念のため申し上げますが、現時点では開園期間は過ぎておりますゆえ
今はもう入場や観覧はできません。



行ってみましたら、海に面した丘のような場所に
色とりどりのユリの花がたくさん咲いておりました。
丘一面というわけではございませんが
かなりの数でございます。
潮の香りの中で数多くのユリの花が咲き誇っている光景は
何やら不思議な感じがいたしました。



思ったよりも大勢の人出でございました。
その日は梅雨の中休みのような
ぼんやりと晴れた天気でございましたゆえ
ちょうど知人から入場券をもらっていたのを幸いに
ちょっと行ってみるかと出かけたのでございますが
あまりの人出の多さに吃驚してしまいました。



そんな人込みの中、携帯電話を片手に
何か話をしながら歩いている御婦人を見かけました。
年のころは30代半ば、飛び切りの美人というわけではないのですが
顔的に私のタイプでございましたので
御尊顔を間近でそれとなく拝見させていただこうと
素知らぬふりをして近寄ってみたのでございます。



ところが次の瞬間この御婦人、とつぜん鼻の穴を膨らませ
「 なんでそうなるのよ!」と大声を張り上げました。
電話の相手に対して何かよほど腹に据えかねることがあったらしく
その御婦人の鼻息と声の荒さに私
自分が怒鳴られたような感じがして心臓が止まるほどショックを受け
思わず小便をちびりそうになってしまった次第。



それから御婦人は宙をにらみつけながら
黙って電話の相手の声を聞いていたようでしたが
私の方はというとしばらく動悸が止まらなくなり
危うくパニックになるところでございました。
できればその御婦人のチャーミングな鼻の穴が膨らむところを
もう一度見てみたかったのでございますが
もはや御尊顔を拝する気分的な余裕など皆無になっていた私
足早にその場から立ち去ったのでございます。



「 立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花 」などと申しますが
野暮で無粋な私、芍薬も牡丹も百合の花も
その美しさの違いがよくわかりません。
ただ鬼百合の毒々しさは、なんとなく分かるような気がいたします.....






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