ヤブ人間




お目汚し、失礼いたします。



先日、自宅の近所を散歩しておりましたら
主婦と思しき40代と60代の女性が
立ち話をしているところを見かけました。
何気なくそばを通り過ぎたのでございますが
なにやら気がかりな内容の話でございます。
と申しますのも、とある医院がヤブだという話でございまして
こともあろうにその院長、私のかかりつけの医者でございます。



人当たりも良く、患者に対して真摯に向き合い
インフォームドコンセントにも熱心な医師でございます。
私も危ない目にあったり病がこじれたりしたことはもちろんのこと
不愉快な思いをしたことも一度だってございません。
そもそもこの手の噂は、相対的・感情的なものでございまして
立ち話をしていた御婦人おふたかたにしても
自分は行かないが御亭主や子供はその医院へ行って
診てもらっていると話しておられました。



自分の仕事ぶりがどのように評価されているかということを
いちいち気にしていては何もできませんが
やはり他人様の目は気になるものでございます。
私も一所懸命に仕事に励んでおりますが
実際のところ、お客様が私の仕事内容を
どのように評価されているかはわかりません。
アマチュアだの素人だの、モグリだのイカサマ野郎だのと
冷たいまなざしで見られているかもしれません。



いや、そればかりか、こいつは本当に一人前の社会人なのか
きちんと義務教育を受けた大人なのか。
挙句には人間かそうでないかにまで疑いが及び
ヌートリアかエチゼンクラゲではないのかと疑われ
人間の皮をかぶった別の生き物ではないかとまで
猜疑心を抱かれているかもしれません。



誓って申しますが、少なくとも私は
人間の皮をかぶった妖怪変化の類ではございません。
多少、猫をかぶってはおりますが
それも人並み程度でございますし
イチモツの皮はとうの昔に剥けておりまする。



しかしそれ以外の点については
正直あやふやな部分も多々ございます。
そんな私はヤブ医者ならぬヤブ人間だと
周囲から思われているかもしれません。



実際のところはどうなのか
周りの人間に尋ねてみたいという誘惑に駆られたりもいたしますが
その一方で本当のことを知るのが怖いような気もいたしまして
二の足を踏んでしまいます。
また仮に誰かに尋ねてみたとしても
果たしてその人が本心や本音を喋ってくれるかどうかは
わからないでしょう。



かくして真相は藪の中なのでございます.....






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