生みの苦しみ




お目汚し、失礼いたします。



皆様はもう初詣にはお出かけになられましたでしょうか。
私はほとんど毎年のように
元旦は朝早くから隣県にある某神社へお参りに行っておりますが
今年は手近なところにある神社へ参らせていただきました。



もうかなり何年も前のことになりますが
ミュージシャンのさだまさし氏が里帰りをして神社へ初詣に行く様子が
あるラジオ番組の中で流れておりました。



録音したものか生中継なのかは存じませんが
音が実に鮮明で臨場感に満ちておりまして
氏の声や下駄と思しき足音、神社の鈴の音や拍手の音など
まるで一緒に参拝に出かけているような気分になり
その場の空気の肌寒さがひしひしと感じられ
氏の吐く白い息が眼前に現れそうなほどでございます。



当時のさだ氏、飛ぶ鳥を落とすような勢いの
売れっ子ミュージシャンでございました。
そのラジオ番組は、そんなさだ氏が出演する特番でございまして
私も耳を澄ませてその番組を聴いておったのでございますが
連日に及ぶ音楽活動のせいで何やらお疲れになっているのか

「 あ、あ~あ~~ 」
「 う~む、うーーーん 」
「 ふぅ~~ はぁ~あああぁ~~ 」

という具合に、さだ氏の吐息のようなものがやたらと聞こえてまいります。



いかに相手が当時の超有名ミュージシャンとはいえ
リスナーとしては吐息ばかり聞かされては面白くありません。
何か音楽のことや自分の幼少期のことを話してくれるのかと思っていた私は
少々面食らってしまい、途中で別の局に
ラジオのチューニングを変えてしまいました。



のちに「 北の国から 」というテレビドラマの主題歌を氏が歌い
その歌詞がすべて「 あ~~~ 」とか「 ん~~~ 」とかいった
スキャットだけで占められていることを知りましたが
このような歌詞になったのは
氏が北海道の大地に圧倒されたからだという話を耳にしたことがございます。



北海道のとてつもなく広大な大地を歌い上げることは
氏にとって相当なプレッシャーや重荷だったに違いありません。
われわれ凡人にとっては想像を絶する疲弊感に苛まれ
その中から湧き出た氏の吐息が
あのような名曲を生み出したのではないかと存じます.....






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