月給泥棒も三年




お目汚し、失礼いたします。



4月に入ってはや半月。
新社会人の皆様、いかがお過ごしでございましょうか。
まだ仕事内容や職場の雰囲気に溶け込めていない方も
いらっしゃるのではないでしょうか。



私も社会人一年生の頃には仕事のこと、職場の人間関係のことなど
あれこれと悩んだものでございます。
高卒で私よりも早く社会人となった友人がいるのですが
彼も私同様、やはりそういったことで困り果てておりました。
そんなとき彼は、トイレの個室で息を殺して
男泣きに泣いたそうでございます。
さぞかし辛かったのでございましょう。



就職して間もない頃、色々と悩むことの多かった私に
友人はそういった自分の体験談を聞かせて励ましてくれたのでございます。
その話を聞いてから私、友人と同様に辛い時、苦しい時には
トイレの個室で息を殺して男泣きに泣き
頭をスッキリさせてから仕事に精を出そうと決心いたしました。
そしてその翌日から足取りも軽く
職場へと通勤するようになったのでございます。



その友人には感謝しております。
彼が自らの苦い体験談を語ってくれたからこそ私は
就職してから一ヶ月も経たずに勤め先を辞めようとしていたところを
踏みとどまることができたのですから。
今ここで改めて礼を言いたいのですが
しかし正直に申しますと私、実際には友人とはいくぶん違った形で
辛い思いを乗り切っておりました。



実は辛い時、苦しい時にトイレの個室で私がやっていたことは
息を殺して男泣きに泣くことなどでは毛頭ございません。
最初はそのつもりだったのですが
男泣きに泣こうとトイレの個室に入った途端
妙な解放感から別のことをおっぱじめてしまったのでございます。



有り体に申せば
「 頭をスッキリさせてから仕事に精を出す 」のではなく
「 精を出して頭をスッキリさせていた 」のでございます。
そして個室のトイレットペーパーが
本来は男泣きで流した涙を拭くために費やされるべきところ
別の用途で消費されておりました。



しかもこういったたぐいの「 スッキリ 」は
効果が長続きいたしませんゆえ
勤務中にスキあらばスッキリさせようとトイレへ行くことばかり考えてしまい
仕事もはかどりません。もっとも、それが半ば楽しみになってしまっていたため
勤め先を辞めようという気は起こりませんでした。
その結果、3年近くも私はその会社に居座っていた次第。
恐るべき月給泥棒でございます。



石の上にも三年と申します。
事情があって私、その会社を三年足らずで辞めざるを得なくなりましたが
新社会人の皆様、あまり肩に力を入れず、あれこれ悩むよりも
月給泥棒をやっているような気分で
とりあえず3年は会社や勤め先に居座ってみてはいかがですかな。
雇用主にとっては迷惑でしょうが、月日を重ねることによってしか
見えてこないものも有るかもしれませんゾ.....






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