夜凪




お目汚し、失礼いたします。



先日、とあるお客様のお宅で現場作業をしてまいりました。
作業自体は簡単なものだったのですが
けっこう神経をすり減らす仕事となりました。



そのお客様、御夫婦で商売をされておりまして
当日は私の現場作業に立ち会っておられたのですが
あまり御夫婦仲が良いようには見えず
あからさまに喧嘩をするというわけではないものの
夫婦間の会話に、何やら冷たくて刺々しいものが漂っておりました。



私が最初にお宅を訪問して御注文をお聞きしたときから
その雰囲気はヒシヒシと感じられ
気の滅入るような思いをいたしました。
下手をすると思わぬとばっちりを受けたり
とんでもない火中の栗を拾わされる羽目になるかもしれないような
それほど重苦しい空気でございました。



とはいえ、夫婦というのは不思議なもので
普段の日常生活において反目し合っていても
いざ夜の生活となれば話は別だということもございましょう。
昔、「 ナイトインナイト 」という深夜のバラエティ番組において
とある関西の噺家が、夫婦漫才で有名だった某芸人夫婦のことを
「 あの夫婦はどんなに激しい喧嘩をした日でも
SEXだけは欠かしたことがない 」と申しておりました。
夜になればちゃんと二人で寝床に入り
お互いに顔や視線を逸らしてソッポをむきながらも
それでいてチンポはきっちり突っ込んで
二人とも腰を振っていたそうでございます。



一見、深刻な夫婦の危機に陥っているように見えて
夫婦としてきちんと機能している場合もあるということでしょうが
いずれにせよ、夫婦仲の良し悪しによって
こちらに火の粉が降り掛かるのはごめんこうむりたいもの。
正直、この仕事はお断りしようかなとも思いましたが
お世話になっている人からの御紹介で引き受けた仕事ですので
そういうわけにもまいりません。



結局、仕事をお請けして先日、現場作業を無事終えたのですが
現場作業の最中、この御夫婦の間に何らかのトラブルが起き
機嫌の悪くなった奥方やヘソを曲げた旦那に八つ当たりされて
「 帰れ!」と言われたりしないか
ヒヤヒヤ・ピリピリしながら作業をしておりました。
こんなことならアダルトショップへ行って
オトナのオモチャでも買っておき、何かモメた時にそれを取り出して
「 まぁまぁ御両人、これでも使って仲良くやりましょうや 」という具合に
お客様の冷え切った夫婦関係を温めるための方策を
事前に用意しておけば、備え有れば憂い無し
もっと気楽に作業ができたことでございましょう。



もっとも、あとからよくよく考えてみましたならば
それはやめておいた方が正解だったかもしれません。
そんなことをすれば冷え切ったものを温めるどころか
火に油を注ぐことになっていたでしょうから.....






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