タコイカ熟女




お目汚し、失礼いたします。



先週末のことでございますが
とあるお客様の御自宅へ集金に行ってまいりました。
或るお得意様の御紹介で承った案件でございまして
お支払いは堅いとのことでございましたが
なにぶん初めてのお客様でございますので
いくぶん緊張いたしました。



御自宅のインターホンを鳴らしますと
奥方様と思しき女性の声でお返事がございまして
こちらの身分と来訪の目的を告げましたら
柔らかで上品なお声で応じていただきました。
しばらく玄関のドアの前で待っておりましたら
姿を見せたのは目元がキリッとした
40代前半と思しきおきれいな御婦人。
私のことは御主人から伝え聞いていたようで
快く中へ招じ入れてくださいました。



お金をいただき、領収証を書いてお渡ししたあと
しばらく世間話などしてからおいとまを告げましたが
その御婦人、実に品が良く物腰が柔らかでございました。
割とラフな服装でいらっしゃいましたが
まるで和装の着物を着てお話をされているような印象でございます。
どこの上流階級出身のかたかと思いましたが
その反面、身のこなしや顔の表情が
非常に砕けた感じになることがございます。
あえてはっきり申しますなら、娼婦のような感じなのでございます。



しかも、そんな上品さと官能性とが
その御婦人の仕草や表情を介して
秒速よりも速いレベルでめまぐるしく入れ替わるのでございます。
文字で表現するのはむずかしいのですが
あえて申し上げるなら
まるで珊瑚礁や砂浜を泳ぎながら背景に合わせて体色を変え続ける
蛸か烏賊のようでございました。



私のような野暮で不調法な男には
女性というのは永遠の「 謎 」でございます。
それゆえ、その御婦人が
そのような不思議な雰囲気を漂わせている源が
奈辺にあるのか見当もつきません。
以前、風俗関係の職についていらっしゃったことがあり
そのときに身についたものなのでしょうか。
それともキツイ目をした42、3歳の熟女を目の当たりにして
ただ単に私の目がその色香に眩んでいただけなのでしょうか。



ともあれ、これからは
テレビの科学情報番組や海にまつわるドキュメンタリー番組で
スイスイと泳ぎ回る蛸や烏賊を見るたびに
この御婦人を思い出してしまいそうでございます.....






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