ささやかな心遣い




お目汚し、失礼いたします。



昭和40年代前半、私が小学生の頃でございます。
日曜日の夜にときたま家族で外食に出かけることがございました。
外食と申しましても、大きなレストランや高級料理店ではなく
近所のお好み焼き屋だとか洋食屋
あるいは家族でドライブに出かけた帰りに立ち寄った
小さなうどん屋、ラーメン屋などへ行くのでございます。



そういう店の食堂には、裏側に金網のような荷物受けが付いている
小汚いテーブルが置いてあったりいたします。
荷物受けにはソースやラーメンの汁で汚れた漫画雑誌が置いてあり
それを読みながら料理が出来上がるのを待っていたものでございます。



また、16型ぐらいの大きさのテレビを置いている店もございました。
壁の天井に近いあたりに棚が設えてあり
そこにテレビが乗っているのでございます。
食堂の広さの関係から、テレビをそのような高い場所に
置かざるを得なかったのだろうと思われますが
私は、異なる分析をしておりました。



当時、日曜の午後7時から「 アップダウンクイズ 」という
クイズ番組がテレビでオンエアされておりました。
一般人の出場者が6人、それぞれ一台ずつ昇降式のゴンドラに乗り
クイズの答えに一問正解するとゴンドラが一段上昇
見事10問正解するとハワイ旅行が獲得できるという番組でございます。



最上段まで上昇した10問正解者のゴンドラには
飛行機に搭乗するときのタラップが付けられ
航空会社の客室乗務員の女性がゴンドラの所まで上って行き
正解者の首にレイをかけてくれるという演出がございました。
そして、このスッチーがタラップの階段を上るときに
スカートの中のパンティが見えるという噂が
私の小学校で誰言うともなく広がっていたのでございます。



当時はビデオが一般家庭に普及していない時代でしたので
そのような都市伝説が流布するのも無理はありません。
そんなわけで私、外食先の飲食店で
高い位置にあるテレビを見かけると
これはそのスッチーのスカートの中を覗きやすくして
お客さんを喜ばせようという、ささやかな心遣いのために
店主がわざとあんな高い所へ置いているのだと思い込んでおりました。



そのテレビにアップダウンクイズが映っているときは
スッチーのパンティがブラウン管に大写しになるのではないかと
何やらドキドキしたものでございます。
しかし当然のことではございますが
そんな僥倖に巡り合うことはございませんでした。



もしも仮にでございますが、あのころに3D映像の技術が一般化しており
しかも10問正解者の首にレイをかけてくれるのが
スカイマークのスッチーだったならば
私は童貞を捨てるのが、もっと早まっていたかもしれません.....






コメント

非公開コメント