火の気




お目汚し、失礼いたします。



ちょうど一年前の今ごろ、連休明けぐらいのころでした。
出先から帰ってきて駐車場に車を入れ
歩いて店に戻る途中のことでございます。
以前お取引をさせていただいたお客様の女性と
偶然お会いいたしました。
お客様の方が先に気づいてくださいまして
気安くお声をかけていただき、恐縮至極でございます。
私どものところへ用事があったわけではなく
私の店がある街でお買い物をして帰る途中
たまたま私の店の近くを歩いておられたとの事。



50代半ばのおっとりとした御婦人でございます。
お稽古事の先生でいらっしゃいまして
お取引の際には私、色々と詳しくアドバイスをして差し上げました。
私としては必要最低限の商品説明をしただけだったのですが
親身になって接してくれたと非常に喜んでいただきまして
気持ちの良い仕事ができた次第でございます。



道端で立ち止まり、そのときのことを少し喋っているうちに
ビジネスの話からプライベートな話へと
何やら話の花が大きく咲いてしまいました。
御婦人はほかに用事があるわけでもなく、立ち話も何ですので
私の店に入ってもらって、ゆっくりお話しようかと思いましたが
結局、頃合を見計らって丁重にいとまを告げました。



心根の優しい天真爛漫なかたでございました。
また同年代のせいか、私と妙にウマが合いました。
しかしそれは表層だけのことであって、会話や交流が継続すれば
やがては乖離を感じてくることもございましょう。
それに相手は人妻でございました。
私の店にお連れして二人っきりで話をしているうちに
お互いに妙な気分になっても困ります。



私は火遊びというものに縁がございません。
またそんなことをしたいとも思いませんし
そんなことができるような人間でもございません。
しかし自分にその気が無くても、体は正直でございます。
店に戻ってトイレで確認いたしますと
ブリーフが我慢汁で濡れておりました。



気の無いつもりでいようとも、火の気はおのずと湧き出ます。
火の無い所に煙は立たず、気の無い所にマラ立たず、でございます.....






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