おらんだ妻との邂逅 【 2/2 】




お目汚し、失礼いたします。



前回の記事の続きでございます。
ダッチワイフと申しますと、最近はかなり生身の人間に近いものが開発され
バリエーションも色々とあるようですが
約30年前の当時の私の個人的なイメージからすると
ヘアスタイルは黛ジュン、日吉ミミ、朱里エイコのような、せいぜい顎の辺りまでのショートヘア。
そのショートヘアが茶色に染まっていて、頬骨は高く
口は ◎ というふうに、クパァと開いた状態というのが
ポピュラーかつスタンダードなタイプだと思っておりました。



Tさんが口をクパァと開いたところを一度も見たことはございません。
ですが30年ほど前、ときどき会ったときの印象では
彼女は茶色いショートヘアと高い頬骨、スタイル良好であまりお喋りをせず
いつも無表情というミステリアスな雰囲気を発しておりました。
その雰囲気のせいで、彼女は私の中でダッチワイフとして息づいていたのでございます。



保険会社で用事を済ませた私は、自分の店に戻りましたが
何やらその日は一日中、軽い興奮を覚えておりました。
当然、夜は自家発電に勤しんだのでございますが
しかし、これはいったいどうしたことでございましょう。
その不思議な興奮も、2、3日もすると急激に醒めてしまったのでございます。
発電所が老朽化していて、キャパシティが小さいという問題もございますが
そういう肉体的な要因ばかりではございません。



約30年ぶりの邂逅をした当日は、懐かしさと相俟って
汲めども尽きぬ泉のようにエロい妄想が湧き出ていたのですが
ショートヘアを茶色に染めた頬骨の高い女性は、実際、そんなに珍しいわけでもなく
そうなると彼女はごくありふれた顔の持ち主に過ぎない
街を闊歩している多くのダッチワイフのうちの一体に過ぎないと感じ始め
そしてついには、保険会社にいた彼女は本当にTさんだったのか
ダッチワイフの空似だったのではないか。そんな気さえしてまいりました。



あの保険会社で彼女の姿を見たとき、何やらファンタジックなロマンスが生まれる予感がしたのですが
所詮、しがない中年男の幻想など儚いものでございます。
とどのつまり、私はダッチワイフに似た女性にエロスを感じたに過ぎず
そこからTさんのことを思い出しただけのことだったのでございましょう。



もしかすると私は、生身の女性よりもダッチワイフの方が好きなのかもしれません.....


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