格調の高さ




お目汚し、失礼いたします。



先週の火曜日、イラストレーターの生頼範義さんが亡くなっております。
生頼範義氏といえば、今年の初めに亡くなられたSF作家、平井和正氏の小説の
表紙絵や挿絵を描かれていたかたでございますが
それ以外にも「 スター・ウオーズ 帝国の逆襲 」や1984年以降の「 ゴジラ 」シリーズなど
映画のポスターも手がけていたそうでございます。



氏はエンターテインメント系の小説・映画などに使われる絵の仕事に携わることが多く
私も平井和正氏の小説以外に、様々なノベルズや文庫本の表紙絵で氏の作品を拝見いたしました。
人物画がお得意だったようでございまして、どの絵にも格調の高さが感じられます。
画家として、その素質に光るものがあり、また技術的にもしっかりとしたものがあったのでしょう。



私が氏の描いた絵に初めて接したのは、中学1年生の頃でございます。
当時、「 蜘蛛男 」「 一寸法師 」「 人間豹 」など江戸川乱歩の小説6作品を
中学生向けに書き直し、それらをセットにした作品集を読んでいたことがあったのですが
その本の口絵や見返し、本を入れてあった厚紙製のケースのようなものに
生頼範義氏のイラストが描かれていたのでございます。



描かれていたのは、作品の内容を象徴するイメージ画だったのですが
かなりリアルな絵でございまして、しかもおどろおどろしいものばかりでございました。
この時は氏の名前など知る由もなく、気味の悪い絵だなという印象しかなかったのですが
平井和正氏の小説を読むようになり、その表紙絵や挿絵の作家が生頼氏だということを知り
もしやあの絵はと本棚に並んでいた6冊の作品集を調べてみましたら
そこに描かれていたのが生頼氏の絵だということを知った次第でございます。



今、その絵を改めて見てみると、やはり生頼氏独特の格調の高さが感じられるのですが
はっきり申しまして、エログロや猟奇趣味を表現しているものがほとんどでございまして
中学生向けの本にしては刺激が強過ぎるもの、今では完全にアウトなものもございます。
当時は随分とノンビリとした、あるいはエキサイティングな時代だったようですが
ネットというツールを使えば、もっと刺激の強いものを見聞きすることができるわけでございまして
その点、今はあのころより更にノンビリとしたエキサイティングな時代なのかもしれません。



もっとも、ノンビリとしてエキサイティングであればあるほど
刮目すべき作品やコンテンツ、いつまでも記憶に残る印象的なアーティストが現れるかと申しますと
それはまた別問題でございましょう。
ともあれ、エンターティンメントの分野で異彩を放っていた
生頼範義という芸術家が亡くなったことについては、実に残念な思いがしてなりません.....


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