七日目までの蝉






お目汚し、失礼いたします。



先日、自宅マンションの階段を下っておりましたら
踊り場に蝉の死骸らしきものを見かけました。
近寄ってよく見ると腹を上に向けて仰向けに転がっており
かすかに足を動かしております。まだ生きているようでございました。
その蝉の腹には黄色い羽のようなものが一対ついておりまして
これはおそらく鳴き声を出すための器官なのでしょう。



こういう蝉は蝉爆弾と申しまして、死んでいると思って触ったり近寄ったりすると
突然飛び上がってオシッコをかけてくることがございます。
あるいは大きな鳴き声を発したりすることもあるそうでございますので
用心のため触らずにそのままスルーいたしました。
それに蝉の寿命は一週間だとのことで
たぶん今まさにその儚い生涯を閉じようとしているところでしょうから
そっとしておくのがいいのではないかと思った次第。



私が少年だった頃、こういう蝉爆弾に対して警戒心の欠片も持ち合わせておりませんでした。
むしろ面白がっていた方でございまして
ましてや蝉の短い一生に思いを馳せてもののあはれを感じるなど皆無でございました。
とはいえ人生後半にさしかかると、否が応でも蝉の生涯と自らの人生とを照らし合わせて
物悲しい思いに捕われざるを得ません。
自分にはあとどれぐらい寿命が残されているのか時間があるのか
その残された人生の中で、自分はどれだけのことをやり遂げられるだろうか。
まだこんなにやり残した事がある、まだ知らないことや分からないことがたくさんある。
ああ、人生とはなんと短いのだろうか。



蝉と申しますと今でも私の心に引っ掛かっていることがございます。
20年ほど前に読んだSM雑誌に、とあるSMクラブの広告が載っておりました。
鞭や蝋燭、浣腸といったお馴染みのプレイにそれぞれ料金が記してあったのですが
その中に「 蝉 」というプレイがございました。
そのプレイには「 蝉 」というプレイ名と料金が記してあるだけで
どのようなプレイかという説明は一切ございません。
一体どのようなプレイなのだろうか。そんな不思議な思いだけが募ったまま
歳月は流れていきました。



今でもその謎は解けておりません。
私の残り少ない人生において、限りある寿命と時間の中で
その「 蝉 」というプレイがどのようなものか、解明できる日は来るのでしょうか。
そしてそのプレイを体験できる日は来るのでしょうか.....




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