感覚的潤滑剤






お目汚し、失礼いたします。



ちょっと前のニュースですが、魚を氷漬けにしたスケートリンクのことが話題になっておりました。
話題というよりも炎上でございまして
動物を氷漬けにしてその上を滑るなんて悪趣味だ、残酷だ、魚がかわいそうだというのでございます。
結局、このスケートリンクは日の目を見ないことになってしまったのですが
私が小耳に挟んだところでは
魚はもともと死んでいるものを魚市場から買い受けて氷漬けにしたそうでございます。



最初からそういう説明がなされていたのかどうかは存じませんが
もしそういったことをきちんと説明していれば世間の反応は違ったかもしれません。
しかしそういったことを別にしても悪趣味だというのは頷かざるを得ないかもしれません。
私は残酷だとか悪趣味だとか言うよりも先に
氷が溶けてきて魚の生臭いニオイが衣服に付着したりしないか、それが心配でございます。



昔、小学生だった頃に見たテレビの特撮ドラマで
氷漬けになった南極観測隊員の姿が映っていたことがございました。
ドラマの中で、その隊員は死んだことになっていましたが
その隊員の外見がほとんど生きている状態と変わりなかったため
幼い私は、お湯をかければ元に戻ってめでたしめでたしじゃないかなどと暢気なことを考えておりました。
しかし、じゃあ木乃伊もお湯をかけたら生き返るんじゃないかとは、さすがにそうは思わなかったでしょう。
なぜなら、木乃伊は見た目がグロテスクで明らかに生きている状態とは異なっているからでございます。



私も当初は、スケートリンクの炎上騒ぎは大げさだと思っておりました。
そしてあのスケートリンクの関係者を叩くつもりも毛頭ございません。
ただ、今あらためて考えてみると、ああいうスケートリンクを作るという発想には
上記のような「 お湯をかければ元に戻る 」という勘違いと
どこか根っこの深いところでつながっているような気がいたします。
生きているように見えるからという、理屈ではない感覚的な潤滑剤によって
ああいうものを作ろうという発想がスルリと素通りしてしまったのではないでしょうか。



生きているように見えるから、きわめて大丈夫そうだから、まったく心配無さそうだからという
感覚的な潤滑剤が世の中に浸透してしまっているのかもしれません。
そして今この日本で起きている多くの不幸な出来事は
この感覚的な潤滑剤によってもたらされているような気がいたします.....





                                       プロフィール画像2015圧縮前→fg→圧縮→jpg→FC2画像圧縮20150929

コメント

非公開コメント