下町サブ






お目汚し、失礼いたします。



「 下町サブ 」という社会派漫画がヒットいたしません。
この場合のヒットというのは人気が出るとかブレイクするとか売れるとかいう意味ではなく
ネット検索で引っかからないという意味でございます。



この「 下町サブ 」という作品、私が小学生だった昭和40年代の頃に
少年向けの漫画雑誌で一度だけ読んだものだったのでございますが
なぜか強く印象に残っております。
覚えている範囲でストーリーを申し上げますと
サブというおそらくは「 三郎 」という名前の少年が主人公で
この少年は幼い弟または妹と下町で暮らす父子家庭の子供でございました。
母親は離別か死別か存じませんが、漫画の中においては姿を見せておりませんでした。



父親は飲んだくれで、たぶん無職か日雇い人夫。
サブの家庭は恐ろしく貧乏だったため
何らかの事情でお金を工面しなければならなくなったサブはDQNの先輩に唆され
当たり屋をやって金をせしめようとすることになります。
そしてサブがまさに車にぶつかろうとしたそのとき
サブを突き飛ばして何者かが車にぶつかってしまいます。



なんと、ぶつかったのはサブの父親でございまして
サブがカネを工面するために良からぬ事を企てていたことを知った父親は
サブを守るためにひそかに彼のあとを尾けていたのでございます。
サブの父親は瀕死の重傷を負い、虫の息の下からサブに
「 自分の命を大切にしろ。当たり屋なんて事はするな 」というような忠告をいたします。
そしてサブが泣きながら幼い弟か妹を抱きしめ
救急車で運ばれていく父親を見送るというところで「 来週に続く 」というふうになっておりました。



当時小学生だった私には、息が詰まるような暗い内容の漫画でございました。
原作は不明ですが、作画はつのだじろう氏だったかと存じます。
今は心霊漫画で有名なつのだ氏でございますが
かつてはこのような社会派の漫画も描いていたのでしょうか。
当時の趨勢だったのかもしれません。



つのだじろう氏のこの「 下町サブ 」について何か書こうと思い
詳しい情報を手に入れようと数日前から検索をかけているのでございますが
まったくヒットいたしません。
暗い時代の暗い漫画ということで、日の目を見ないのかもしれません。
あるいはひょっとすると、つのだじろう氏が描いたというのは私の脳内記憶で実際はそうではなく
またそもそも「 下町サブ 」というタイトルではないのかもしれません。



今、こういう漫画は少なくとも少年漫画雑誌ではウケないでしょう。
しかし私の少年時代には、このような作品が
当たり前のように少年漫画雑誌に載っていたのでございます。
それは社会の仕組や矛盾を子供たちに教えていこう、訴えていこうという
教育的見地あるいは社会運動という意味合いもあったでしょうが
同時にそういった内容の作品を少年誌に掲載しても十分採算が取れるか
もしくはそういうことができるだけの余裕があったのでございましょう。



今の少年誌で、このような内容の作品を掲載するとしたら
男に身体を売って金を工面しようとしたサブが
呼ばれた先に行ってみると自分の父親が代わりにケツを掘られており
おまけにSMプレイ紛いのセックスによる肉体的負担に父親が耐え切れず
心肺停止状態になるというぐらいのシーンを入れなければ、ウケは無理でございましょう。
もちろんタイトルは「 ハッテン場サブ 」がお約束でございます。



今の時代、社会派漫画は青年誌においては数多く見られるようなので
出版社も少年誌と青年誌というカテゴリを創設することによって
掲載作品の住み分けを徹底させているのかもしれません。
それがイイ事かどうかはわかりませんが.....





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