蘇った亡者






お目汚し、失礼いたします。



先週の3月24日、高校の同級生に毒物を飲ませたり知人女性を殺したりしたとして
21歳の女性が名古屋地裁から無期懲役という有罪判決を下されております。
この被告には少なくとも高校生のときから殺人願望のようなものがあったらしく
弁護側は被告の精神障害を理由に責任能力の有無を争っておりましたが
結局は検察側の求刑通りの判決となっております。



この手の異常犯罪はこれまでも過去に何回か起きておりますが
いずれも被害者には何の落ち度も無く、理不尽きわまりません。
被告を死刑にしても失われた命は戻ってまいりませんが
二度とこの手の犯罪者が同じことを繰り返さないことになるという意味では
死刑は有用ということになります。
とはいえ此度の裁判では検察側もこの被告に死刑は求めておらず
また死刑判決も下されなかったわけですが
それが結果的に良かったのか悪かったのか、私には分かりません。



河北新報の報道によればこの被告、検察官や裁判官にまで殺人願望を抱き
絞殺するつもりで検察官や裁判官にネクタイを着用してきてくれと申したそうでございます。
また裁判の傍聴人や自分の親、妹にまで殺人願望を抱いたとのこと。
事実は小説よりも鬼なりでございまして
こういう殺人鬼が、こともあろうに内戦や紛争が起きていない日本において存在する
というのがニワカには信じられません。
何やら不条理な作り話を見聞きしているようでございます。



私が中学生だった頃、約40年ほど前のことでございますが
「 スリラー インS 」という怪談風のラジオドラマを聞かせてくれるラジオ番組が
夜の9時半ごろから流れておりました。
出演者のうちの一人に俳優の小松方正氏がいらっしゃいまして
あるとき、その小松方正氏が地獄の獄卒である鬼を演じているドラマが流れました。
この鬼は、現世で人殺しを犯した女の亡者に血の池や針の山、無間地獄など
さまざまな地獄の責め苦を味あわせるのですが
数々の責め苦を受けた後、女は極楽浄土に旅立つことになります。



恐ろしい責め苦を何度も受けたことで罪を許された女は
鬼から「 もう二度と人を殺めるでないぞ 」と諭されてうなづくのですが
極楽へ向かおうとする直前、それまで神妙な態度でいた女は突如
とぐろを巻いたヘビが鱗をこすり合わせて出すような気味の悪い声で

     今度はおまえを殺してやる

と言いながら、鬼の首に手をかけて絞め殺してしまうという
バッドエンドで物語は終わるのでございます。



当時中学生だった私は、その極めて不条理な結末に首をかしげておりました。
せっかく極楽浄土へ旅立とうとしているときに、女はなぜそんなことをしてしまったのか
まずそれが解せません。
そして女が絞め殺した相手は地獄の鬼でございます。
腕力で圧倒的に勝っているはずの鬼が
か弱い女の亡者に絞め殺されるということにガテンがいきません。
仮に女が吉田沙保里のような霊長類最強女子だったとしても
鬼なら金棒を持っているはずですからそいつを使って叩き伏せ
股間の珍棒で女を篭絡することもできたはずでございます。
それさえせずにみすみす鬼が女に絞め殺されるというのがどうしても解せませんでした。



このときは何かヘンだなとは思ったものの
怖いとか不気味だとか気持ち悪いとかいった感じはいたしませんでした。
しかし今は違います。
この女亡者の不可解で不条理な行動、執念、腕力にリアルな不気味さを感じます。
それはおそらく、この女亡者の言動が
名古屋地裁で裁かれた女の言動と重なるからでございましょう。



40年ほど前のラジオドラマに登場して鬼を殺した亡者の女が現世に蘇った.....
そんな気がしてなりません。





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