会話のキャッチボール






お目汚し、失礼いたします。



私が腰掛けている診療椅子の隣で歯科衛生士のオネーチャンが患者と話をしております。
患者は私より少し若いぐらいの中年男性。盆休みに行った旅先での話をしておりまして
衛生士のオネーチャンは診療作業をおこないながらも、興味津々といった感じで
楽しそうにその男性と会話を交わしております。
男性は話し上手でございまして、まさに会話のキャッチボールのお手本を見るようでございました。
二人の会話はよどみなく、またかぶることもなく弾んでおりまして
それはもはや会話のキャッチボールというよりかは、会話のゴールデンボールでございます。



先日、行きつけの歯科医院で3ヶ月ごとの定期検診を受けたときのことでございました。
診療中はほとんど口を開けたままの状態なので
歯科衛生士のオネーチャンと話をすることはあまりできないはずなのですが
その男性はそういった点でも話し上手なのでございましょう。
診療作業の合間を縫ってうまく相手と会話を交わしているのでございます。
なぁに、私だって鼻を使って喋ることさえできればなどと思ったりしますが
土台そんなことはできるはずもなく
また仮にそのようなことができたとしても、特に女性に対して口下手な私では
会話のゴールデンボールはおろか、キャッチボールさえままなりません。



別にその男性のことがうらやましかったわけではございませんが
私とその男性との厳然たる差を見せ付けられた気分でございました。
昔勤めていた会社の同僚で、女性との付き合いが派手な男がおりましたが
彼のことを見るにつけ聞くにつけ思ったのは
彼のように女性と話をしたりアプローチをかけたり食事に誘ったりするには
私のようなむさくるしい男とは根本的に異なる才能や感覚のようなものが
必要だということでございました。
つまり私と彼との間にはいわゆる「 越えられない壁 」があるということでございます。



まぁ確かに歯科医院で歯科衛生士のオネーチャンと
息の合った会話をするのは無理ではございますが
こんな私でも理髪店で店主のオヤジさんに髪を刈ってもらったり顔を剃ってもらったりするときには
なぜか話が盛り上がっております。
もっとも、向こうは客商売ということで愛想良くしているだけで
こちらが話しやすいように気を遣って喋っているだけなのかもしれず
私が口下手だということには変わり無いのでございましょうが
そういった機会を利用して他人と会話を交わすことに慣れていき
さらにコミュニケーション能力や会話術を身につけていくというのは
良いことではないでしょうか。



ただ、店主のオヤジさんと息の合った会話や、会話のゴールデンボールを頻繁に繰り返すうちに
「 越えてはいけない壁 」を越えることになる可能性もございますので
何事もホモホモに…おっと失礼、何事もほどほどにという注意は必要かと存じます.....





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