ロードレイジ幻想






お目汚し、失礼いたします。



逞しい身体つきの男でございました。
プロの競輪選手のように色鮮やかな半袖半パンのウェアを身に着け
色濃く日焼けした両腕両腿には石のように硬そうな筋肉がたっぷりと載っております。
頭には平成仮面ライダーのマスクのようなヘルメットを被り
両目には色の濃いゴーグルを着用していました。
その男は私の車を睨むように振り返るとウンザリしたように首を振り
何やら口走りながらロードバイクを駆って走り去っていきました。



私の車にイラついたのでございましょう。
きっと何かディスるような言葉を吐いていたに違いありません。
不慣れな道だったため、車のスピードを控えめにして左側に幅寄せして走行しておりまして
おまけに後ろの方からロードバイクが近づいていたことに気づかず
ノロノロ運転していたのがこの男の癇に障ったのでしょうか。
悪気がなかったゆえ私も何となく理不尽な思いがしてムカつきましたが
睨み返すようなことはいたしませんでした。



モメたりすると一大事でございます。
相手は所詮自転車なのですが、そのパワーとスタミナに溢れる外見から
逆にこちらの方が煽られそうでございます。
きっと筋肉の塊のようなあの身体でロードバイクを駆り
猛スピードで追いかけてくるに違いありません。
どんな悪路もなんのその、坂道だろうがぬかるんだ道だろうが凸凹道だろうがヘッチャラで
たとえロードバイクが壊れて一輪車になっても、器用に乗りこなしながら追いかけて来るでしょう。
そして私の車の前に立ちはだかり、車内から私を引き摺り下ろし
あの強靭な腰を使って私のケツを掘るのでございます。



数分車を走らせたところで、再びその男に追いつきました。
男は信号待ちでロードバイクを停止させており、私は必然的にその男の横に並ぶことになった次第。
何か因縁をつけてくるかと身体と肛門を固くしておりましたが別にそんなそぶりも無く
男は前方を向いたままじっとしております。
やがて信号が青になり、男はロードバイクをスタートさせました。



二輪に乗った相手は苦手でございます。
若い頃、車で路上を運転中に私の進路変更がマズかったのか
それとも初心者マークを付けていたので舐められたのか
横を走っていた原付バイクに物凄く煽られたことがございました。
そのことがトラウマとなって今でも二輪のバイクは苦手なのですが
モーターバイクだけでなくロードバイクのような自転車までも苦手になりそうでございます.....





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