ミノタケ刈り






お目汚し、失礼いたします。



先日、馴染みのお得意先から大きな仕事の話が舞い込んでまいりました。
成功報酬もかなりのもので、どぅれ一儲けしてやろうとばかりに
二つ返事でお引き受けしたのですが、仕事の内容を精査したところ
キャパシティを完全にオーバーした分不相応に大きな仕事だということがわかり
大慌てで辞退させていただく旨をお伝えいたしました。



辞退の旨を伝えるのがもう少し遅ければ話が正式に進み始めて
大変な事態になるところだったためヒヤヒヤものでございます。
このところ世間は比較的好景気が続いておりまして
そんな浮かれた空気に乗せられたために私の判断力が鈍ったのかもしれませんが
何やら自分を過大評価していた部分が無きにしもあらずのような気がいたします。
こういった自信過剰という厄介な荷物は
他者と比べて突出したもの、著しく異なるものが自己にある場合
なおさら重くなってまいります。



それは例えば学歴や経験であったり知識や技術であったりするわけですが
場合によってはその人間特有の価値観、感性、主義主張、イデオロギーが
根拠のない自信や不条理な行動力を本人に付与することがございます。
此度の失敗を自分なりに冷静に分析してみたところ
やはり私にもそのような点がいかばかりかあったことは否めません。



私の場合、それは自分自身の趣味趣向でございました。
仕事を引き受ける直前、内なる声が私に語りかけてきたのでございます。
自分は良きにつけ悪しきにつけ、他の人間とは違ったところがある。
鞭の音に胸が高鳴り蝋燭の熱に息を荒げるのは
自分が他の人間とは違う星の下に生まれたからだ。
縄の縛り具合や浣腸液が押し込まれていく様子に陶酔し
そんな世界を自分がこよなく愛しているのは
何か地球的規模の特別な意味があるのだと。



そういった思いが自分自身を見る目を曇らせてしまったのでございましょう。
どんな仕事も困難も、この身に備わった変態パワー、変態魂、変態根性の前では無問題。
独創性に富んだユニークな快楽や快感を開拓・開発していくという
変質者が潜在的に有しているフロンティアスピリッツで乗り切ろうじゃないかと軽く考え
変態最強、変態無双。そこのけそこのけアソコの毛。
そこのけそこのけ変態が通るとばかりに思い上がっていたのでございます。
ボールギャグに興奮し、鼻フックに心ときめかせているからと言って
大きな仕事を受注して、それを恙無くこなせるというものでもないのでございます。



人間というもの、若い頃はとかく自分自身や男性自身を大きく思いたがり
また大きく見せたがるものでございます。
しかし歳を重ねるにしたがって人は自分の身の丈を自覚し
それに応じた行動をとらねばなりません。
人生も50代にさしかかれば季節は秋でございます。
秋になれば野山にはマツタケが生え
人はキノコ刈りやマツタケ刈りを楽しむわけですが
人生において人は秋になれば自分のミノタケというキノコを刈らねばなりません。



そしてそれは実につらい作業でございます。
そのつらい作業を私はまだ終えていなかったのだと、ついこの間知りました.....






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