潰れゆく風船






お目汚し、失礼いたします。



吉本興業のお笑い芸人が会社を通さない直営業をおこない
反社会的勢力の忘年会で芸を披露したことに端を発する
一連のスキャンダルが明るみになっておりますが
関わった11人の芸人は無期限謹慎処分ということになり
直営業の仲介をした芸人は解雇という処分になりました。
またこれと前後してやはり吉本興業所属の芸人が
暴力団幹部の誕生会に出席したことも発覚しております。
直営業に関しては一部容認するような意見もあるようでございますが
反社相手の営業については厳しい意見が目立ちます。



それにしても時代は変わったという感が否めません。
私は地元が大阪府内ですので、吉本興業の芸人が出演するテレビやラジオの番組には
子供の頃から慣れ親しんでいるのですが
昔は吉本の芸人がテレビやラジオの番組で悪びれもせずに直営業の話をしておりましたし
反社相手の仕事のエピソードを公然と喋っていたように記憶しております。
まぁネタだったのかもしれませんが
これからはネタでさえ話をするのは憚られるようになるでしょう。



これらの騒動の発端となった直営業を仲介した I という芸人ですが
「 友達5000人芸人 」ということを売りにして芸能活動はもちろん
執筆・講演活動などもやっていたそうでございます。
この「 友達 」というのは恐らくプライベート以外にビジネスも含めた意味でのものであり
さらに申せばいわゆるSNSでの「 友達 」をも含めたものだったのでしょうが
人間、5000人もの相手と友達関係になればそれなりのリスクが付いて回りましょう。
玉石混交、白黒灰色入り乱れた質の悪い人脈を構築することになり
そして今回、まさにその弊害が露呈したようでございます。



しかしそういった暗色のモザイクタイルのような人脈を使って活動していたことを
吉本興業は知っていたか、見て見ぬフリをしていたのではないでしょうか。
この I を含めて吉本所属の芸人は6000人もいるそうでございます。
それに対して吉本の社員はマネジメントを担当する者や
それ以外の部署の者も含めて千人ほどしかおらず
芸人が半ば放牧状態だったのは想像に難くありません。
何か面倒が起きるかもしれないとか、またその場合の危機管理についてはどうするかとか
果たして真剣に考えていたのでしょうか。



昔はガラの悪そうな芸人や根無し草のようなタレントが居ても
何らかの形で吉本が首根っこを押さえていたような気がいたします。
それは芸人の数が今よりは少なかったという物理的な要素や
芸人たちの間に損得を考えない厳しい師弟関係があったからでございまして
時代や価値観が変わり、芸人の数が膨大になったうえに
師弟関係というものが希少化・希薄化してしまったのであるなら
それに対応した新しい経営スタイルを作るべきだったのでございます。



にもかかわらず、そういったことには目を向けないまま
企業規模の拡大だけに血道をあげたツケが回ってきたのが今の状況でございましょう。
確かに今の吉本は有名無名取り混ぜて多くの芸人を擁し
かつての一芸能事務所から全国展開をする大企業にまで膨れ上がっておりますが
その実、中身が徐々に空っぽになっていった風船のような印象がございます。
そんな状態で外から何か悪意を持ったトゲのようなもので突っつかれたら
「 パン!」と割れるか「 プシュ~~3 」 と萎んでしまうのは火を見るよりも明らかでございます。



ダッチワイフも今やかつての風船タイプはガラパゴス化し
ラテックスやシリコンを素材とする進化したタイプが登場しております。
ガラパゴス化というものを全否定するつもりはございませんが
企業の経営スタイルというものについて申しますと
中身を重くしっかりとしたもので満たそうとせずに空洞化を放置すれば
遅かれ早かれその風船は潰れてしまうのでございます.....





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