ナツメ球と愚か者

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お目汚し、失礼いたします。



車を運転して客先を訪問した帰りに100円ショップに寄りました。
自宅の蛍光灯のナツメ球が切れて灯りがつかなくなったので交換するのでございます。
ショッピングモールの中にある100円ショップでございまして、大抵のものは置いてあるようでしたが
初めて訪れた店ですので、どの辺りに何が置いてあるのかよくわかりません。
電気製品のコーナーを探して私はウロウロと歩き回っておりました。



このときの私、マスクを着用しておりませんでした。
客先ではマスクをしていたのですが、今はプライベートな用事ですし
店内はけっこう広かったのでいわゆる「 三密 」にはならないだろうと思い
マスクはせずに100円ショップへ入店いたしておりました。
できるだけマスクの着用時間を少なくしておき
あとでアルコール消毒液をふりかけてまた再利用するつもりだったのでございます。
そんなことで再利用可能かどうか諸説あるようですが
マスクが手に入りにくい昨今、マスク節約のための窮余の策でございます。



店内は最初のうちこそ客数が少なかったものの
私がナツメ球を探してウロウロしているうちに次第に数を増してまいりました。
よく見るとマスクをしていないのは私一人でございまして
他の客は老いも若きも男も女もみんなマスクを着用しております。
家族連れや若い女性の二人組が不審者を見るような視線をこちらに向け
私、何やら素っ裸で歩いているような気分になってまいりました。



その気分を味わいたいような、あるいは誰かに咎められているような複雑な心境のまま
やっとナツメ球を探し当てた私は、さっそくレジへ持って行って支払いを済ませました。
それから100円ショップを出てショッピングモールの駐車場へと向かいましたが
駐車場は2時間までなら料金が無料でございます。
有料になるまでまだ1時間以上余裕がございましたので
ちょっと書店にでも寄ってみるかとモール内を歩いておりましたら
私以外は100円ショップと同様、マスクをした買い物客ばかりでございます。



路上生活者のような身なりの爺さんまでしっかりとマスクで口を覆っており
気もそぞろになってきた私は、これはやはりマスクをした方が良さそうだと思いましたが
わざわざ人前でマスクを付けることに何となく気後れのようなものを感じたため
同じフロアのトイレの個室へ駆け込み、ポケットの中にしまっていたマスクを取り出しました。
しかしトイレの個室という隔離された空間にいることで
誰かに咎められているような罪悪感めいたものは一気に消え去り
代わりに自分一人だけマスクをしていないという全裸で歩いていたような気分が蘇りまして
私の股間のナツメ球は白熱電球のように熱を帯び、直管蛍光灯のように大きくなってしまいました。
そのまま私が自家発電に及んだのは言うまでもございません。



私の行きつけのドラッグストアは特措法による緊急事態宣言が出されてからは
開店前に客が店舗の入口に並ぶことが無いように告知の張り紙をしておりまして
朝、そのドラッグストアの前を通っても行列を見かけることはなくなりました。
ある意味、落ち着いた状況とも言えますが
営業時間中の客同士のマスク争奪戦が激化しているのではないかと思うとガクブルでございまして
とにかく一刻も早いマスクの安定供給が望まれるところでございます。



これ以上、人々が慌てふためき、争い、混乱して血迷った行動に出るのは見たくありません。
ナツメ球を買い求めたおりに自家発電に及んでしまうような愚か者は、私一人で十分でございます.....






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