男の決断




お目汚し、失礼いたします。



日本の70年代後半から80年代前半にかけて
男性のセックスシンボルとして一世を風靡したのは
俳優の故・松田優作だと私、勝手に思い込んでいるのでございますが
この松田優作氏の主演映画「 蘇える金狼 」( 1979年公開 )に
或る印象深いシーンがございます。



この映画、一介のサラリーマンが暴力と麻薬を武器に
自分が勤めている会社を乗っ取っていくという
一種のサクセスストーリーなのでございますが
映画の終盤、松田優作氏演じる主人公の朝倉哲也は
政界とつながりの有る闇社会の大物、鈴本光明から
ある取引話を持ちかけられます。
朝倉が会社乗っ取りのために所有している時価8億の株式を
24億で買い取らせてくれというもので
拒絶すれば鈴本サイドと対決せざるを得なくなり
逆に受け入れた場合は、会社乗っ取りを達成できなくなるという
非常にシビアな取引でございます。



このときの朝倉と鈴本光明とのやり取りには
なんとも言えない味わい深いものがございます。
高級レストランに呼び出された朝倉は
最初は鈴本光明に対して不機嫌で無関心な
刺々しい態度をとっておりましたが
24億という金額や鈴本光明の強大さを知るに及び
真剣に話を聞かざるを得なくなってしまいます。



「 我々を敵に回して足掻くか。
 それとも、これを潮時にして金儲けをするか。返事は?」

鈴本光明のこの問いかけに対して朝倉は一言「 あわてるな 」と制し
沈思黙考いたします。そしてややあったのち

「 一杯もらおうか 」

と声をかけ、その声に応じて鈴本がワインを注ぐと
そのワインの入ったグラスを手にしながら
取引受け入れの意思表示をするのでございます。



この「 蘇える金狼 」という映画で私が好きな場面は当初
朝倉哲也の銃撃戦のシーンや
永井京子役の風吹ジュンが駅弁スタイルで抱かれている
Hシーンでございましたが
今ではこの取引のシーンが一番気に入っております。
結局、朝倉哲也は鈴本サイドの一方的な要求を受け入れたわけですが
松田優作氏の演技の賜物か、それとも演出の妙なのか
全くそのような印象を受けません。
堂々たる「 fifty-fifty 」の取引のように見えるのでございます。



男たるもの、こうでなくてはなりません。
むずかしい取引を迫られても余計なことは一切口にせず
一言「 あわてるな 」と答えて、沈思黙考。
そしておもむろに「 一杯もらおうか 」と声をかけ
臆することなく冷静に取引を済ませてしまう。
まさに男の決断と言えましょう。



男女間の恋愛関係についても男はこうあるべきでございましょう。
「 あたしのことをどう思ってるの? ねぇ、はっきりして頂戴!」
と迫られても余計なことは一切口にせず
一言「 あわてるな 」と答えて、チンチンモッコリ。
そしておもむろに「 一発やろうか 」と声をかけ
臆することなく冷静に彼女をホテルへ連れて行き、Hを済ませてしまう。
まさに男の決断と言えましょう。



ただし、あとで警察沙汰になったり
高額な慰謝料や養育費を要求されたりするリスクを伴いますゆえ
斯様な決断をする際は、くれぐれも御用心くださいまし.....






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